映画（TV/VIDEO/LD/DVD） 『007 ダイヤモンドは永遠に』『カジノ・ロワイヤル』

71)『007 ダイヤモンドは永遠に」〔DIAMONDS ARE FOREVER〕　(LD）　☆☆☆

1971年　イギリス　ユナイト カラー　スコープ　125分
監督／ガイ・ハミルトン 　　　　脚本／トム・マンキウィッツ 　　　　出演／ショーン・コネリー　ジル・セント・ジョン　チャールズ・グレイ　ラナ・ウッド　ブルース・キャボット

　十年ちょっと前に観て以来の再見。中古LDで200円とかで買ったのが6年前だから、購入から観るまでに6年かかるのかと思うと恐ろしい。
　印象は変わらず。初期007の秀作の系譜は、『007 サンダーボール作戦』で初めて少し落ちたものの、続く『007は二度死ぬ』で盛り返し、更に『女王陛下の007』で再び秀作を放ったが、本作は、コネリー＝ボンド復活となったにも係わらず、精彩に欠ける凡庸な出来。
　見せ場が月面車暴走と、カーチェイス、油田タワーぐらいしかなく、監督が『007　ゴルドフィンガー』のガイ・ハミルトンが復帰しているというのに、退屈させられる。
　ただ、棺に入れられたまま焼かれるとか、パイプ缶に放置され、地下深くの狭いパイプの中に密閉されるという、塚本晋也の『ヘイズ』に到る密閉恐怖描写としては嫌いじゃない。

72)『カジノ・ロワイヤル』〔CASINO ROYALE〕　(DVD）　☆☆☆

1967 年　イギリス　カラー　スコープ　134分
監督／ジョン・ヒューストン　ケン・ヒューズ　ロバート・パリッシュ　ジョセフ・マクグラス　ヴァル・ゲスト　　　　脚本／ウォルフ・マンキウィッツ　ジョン・ロウ　マイケル・セイヤーズ 　　　　出演／ピーター・セラーズ　デヴィッド・ニーヴン　デボラ・カー　ウィリアム・ホールデン　ウディ・アレン　オーソン・ウェルズ 　 　

　こちらも10数年ぶりに再見。初見時は呆気に取られたが、長過ぎて冗長という欠点はあるとは言え、例によって『The look of love』を聴けば一気に機嫌よく観ていられるし、真っ赤な暗号室とか本部の美術など、ポップなデザインに満ちていて楽しめる。後は、豪華過ぎる役者達をのんびり眺めているだけで良い。
　自分は高校の頃に本家シリーズを纏めて観ていく過程で番外編の本作も初めて観たが、その後、007は一切観た事ないけど『カジノ・ロワイヤル』だけは観たとか、これが最高というヒトも結構居るので些か驚いたことがあったが、90年代のリヴァイヴァルが巧く作用しているようだ。ま、お陰でサントラとかもかなり出たし、それはそれで糞真面目に本家シリーズと比較して支離滅裂とか言われるよりは遥かに作品本位に観られていて良いとは思うが。