雑記 東映は深作健太を見放さない

 『BRⅡ』の時、東映のプロデューサーだったか社長だったか忘れたが、深作健太に、2、3本は撮らせるというようなことを言っていた。その言葉通り、『同じ月を見ている』『スケバン刑事 コードネーム=麻宮サキ』と、毎年新作が撮れるという破格の待遇になって結実しているわけだが、全く不得意な世界をやって失敗しただけの『同じ月を見ている』、案外巧く行くんじゃないかと思わせてやっぱり駄目だった『スケバン刑事 コードネーム=麻宮サキ』と、今のところ『BRⅡ』以降コレといった成功作はまだ出ていない。興行的にも相当不振だったらしいので、そろそろ東映もその<2、3本は撮らせる>という時期を終えたか、或いは例の深作健太×押井守の『エルの乱』の配給をやってあげる程度の関係になるのではないかとも思っていたが、更に新作『XX(エクスクロス)』が現在撮影中で来夏公開とのこと。『XX』って、宮崎ますみの出てた『XX 美しき凶器』のリメイクかと思った。因みにコチラの監督はガイラ監督。





http://hochi.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20061218-OHT1T00038.htm





 恵まれているとしか言い様が無いが、『エルの乱』までに数をこなしておいて欲しいという思いは強くあるので、結構なことだとは思う。個人的にはVシネぐらいのヤクザものをやった方が良いと思うが、アイドルものに行くのも悪くはないと思うが、原作の『そのケータイはXXで』を読んでいないので、<山奥の温泉地を訪れた女子大生が、次々に襲ってくる恐怖体験の中で携帯だけを頼りに“脱出”を図ろうとするホラーサスペンス。>と聞かされると、物凄い不穏感が漂ってしまうが。ただ、1本立て興行では厳しいとは思う。

 まあ、全作付き合っていることだし、毎回ちょっとでも演出力の向上を願ってハラハラしながら劇場で観ている監督ではあるので、今回も付き合うが、『BRⅡ』を観たか観ていない程度の奴が悪く言うのは許さん。全作観てから盛大に悪く言うべき。