北野武新作『監督・ばんざい!』6月公開


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 噂通り、自身が監督役を演じて、様々なジャンルの作品を撮るという形態の作品の模様で、相当好きと前々から公言している『8 1/2』をかなり意識しているのではないかと思える。
 個人的には、前作の『TAKESHIS’』が意外と面白かったので、『Dolls』で底を擦ったと思っていた頃からすれば、期待しなくもないが。
 『TAKESHIS’』公開時に次回作は団塊の世代の子供の頃の物語をと語っていたが、本作内に取り込んだ形で実現させた模様。
 それにしても『TAKESHIS’』といい新作といい、『みんな〜やってるか!』への復讐戦を相当狙いこんでやっている。ただ、現在の北野作品を観る気分的には、劇場版大長編ドラえもんの後期の作品を観ているのと同じ様な気分になってしまうのだが。ようは、『のび太の魔界大冒険』が『ソナチネ』みたいな。そのうち、北野武もセルフリメイクをやりだすだろうか。
 公開が6月ということで、松本人志の『大日本人』と同月公開となるが、配給は共に松竹となるのだろうか?両者共に笑をベースにしているので相乗効果を狙った宣伝が展開されるだろうが、91年の『あの夏、いちばん静かな海。』と島田紳助の『風、スローダウン』が同時期公開(1ヶ月違いで公開)された状況を思い出す。
 ただ、松本の『大日本人』は、タイトルが気に入らないのは個人的好みとしても、巨人が出てきて云々という内容でビデオ撮影で高須も脚本に噛んでいるとなると、『VISUALBUM Vol.ぶどう「安心」』の傑作『巨人殺人』を連想してしまい、画の作り方も同様になるのではないかという危惧があり、劇場で映画としてかけるとなると、その辺りで差異を出せるのかという思いがある。VISUALBUM自体はかなり好きだったので、あの路線の継承になるのか、新たな方面を出してくるのか。
 『監督・ばんざい!』はラストでフェリーニの如き祝祭的空間が広がり、出演者みんなで、またもタップダンスすると予想。出演は、江守徹松坂慶子、岸本加世子、吉行和子宝田明藤田弓子内田有紀木村佳乃鈴木杏ら。