『花と爆弾―人生は五十一から6』

8)『花と爆弾―人生は五十一から6』 小林信彦  (文春文庫) ☆☆☆★★★  

花と爆弾 (文春文庫)

花と爆弾 (文春文庫)

 巻末の文庫用あとがきに、<さいきんは、文章の重点をなるべく、花や映画、ショウビジネスの方に移すようにしておりますが、どんなものでしょうか。>という一文があり、「中日新聞」でのコラム連載を自ら打ち切ったのが影響しているのだと思うが、心情は分かるにしても説得力に欠ける不慣れな政治談議よりも、他の追随を許さない、東京について、映画、テレビ、軽演劇、アイドル、本、ミステリーなどを語りながらそこから批判を投げかけた方が良いに決まっているので、むしろ今後の連載への期待が高まる。