『怪談せむし男』『銭ゲバ』

molmot2007-09-14

妄執、異形の人々II

 観た映画が溜まっていく一方で、最近は『怪談』(☆☆☆★★)、『街のあかり』(☆☆☆★)、『愛の陽炎』(☆☆★★)、『日本残酷物語』(☆☆★)、『亡霊怪猫屋敷』(☆☆☆★★★)、『怪談蛇女』(☆☆☆★★)、『怪異談 生きてゐる小平次』(☆☆☆★★)、『蛇精の淫』(☆☆☆)、『狂気の海』(☆☆☆★★)、『いくつになってもやりたい男と女』(☆☆☆)、『ずべ公番長 夢は夜ひらく』(☆☆☆★★)を観たぐらいか。
 そっち方面の映画しか観ないヒトみたいで嫌なのだが、時期的にそっち方面がやたらと大量上映されているので仕方ない。しかし、『愛の陽炎』を観た翌日に映画美学校まで高橋洋の新作にして『ソドムの市』を超えた秀作『狂気の海』を観に行くと、これまた当たり前のように普通に五寸釘と藁人形が出てくるので、二日連続で当然の如く藁人形が映画に出てくると、感覚がおかしくなりそうになる。そう滅多に出てくる小道具ではないのと思うのだが。それに、そのまま続けて新宿に移動して、新宿国際劇場デビューを飾る、いまおかしんじ好きの某嬢の付き添いで、いまおかの新作『いくつになってもやりたい男と女』を観るというのは、流石に濃かった。女性を成人館に入れる時の鉄則である通路側に座らせて、注意を配りながら何事もなく上映が進んでいったのだが、通路を隔てて隣の椅子のオッサンがチンコ出してオナニーを懸命にやっていたので、某嬢の心中は如何にと気遣ったが、後で聞くと気づかなかった由。自分はオッサンの「抜けん…」という呟きをはっきり聞き取ったが、いまおか作品、それも老人の性が題材の『いくつになってもやりたい男と女』で試みようとするオッサンも大したものだ。作品自体は、自分はいまおか作品を一回で良いかどうか見極めるのが苦手、それに新宿国際の環境では、ということを差し引くとしても、『たまもの』以降では最もぬるいように思えてしまったが。大阪ロケなので過大に期待している部分や、老人の性という切り口の多様さに、期待が高すぎたのか、何にしてももう一度観たい。一貫して、いまおか好きの某嬢もやや首を傾げていたが、結論的にはもう一度、ポレポレで観たいということに。来月の『シナリオ』誌に脚本が掲載されるので読んでから再見したい。

249)『怪談せむし男』(シネマヴェーラ渋谷) ☆☆☆★

1965年 日本 東映東京 モノクロ シネスコ  分
監督/佐藤肇     脚本/高岩肇     出演/西村晃 楠侑子 加藤武 葉山葉子 江原真二郎   
 

250)『銭ゲバ』(シネマヴェーラ渋谷) ☆☆☆

1970年 日本 近代放映 カラー シネスコ  分
監督/和田嘉訓     脚本/小滝光郎 高畠久     出演/唐十郎 緑魔子 応蘭芳 加藤武 岸田森 横山リエ 曽我廼家明 左とん平