molmot2008-07-05

 注文していた『nu vol.3』が届く。直接注文すると、以前『アイデア 2008年5月号』に付録的に付いていた『nu vol.4』が特典として付くというのでコチラで買う。『アイデア』は面白そうな号だったが、いかんせん高いのでパスしていただけに幸い。
 『nu vol.3』、届いて開けてみるとまず驚くのが、そのヴォリュームで、1、2号と比較しても倍近くあるのではないかという分厚さ。総336ページあるというから大したもの。中身も、『nu』らいしいたっぷり読ませる対談が今回も濃密に展開しているし、今回は、雨宮まみも三連発で寄稿しているし、沖島勲も書いているし、吉田アミ佐々木敦のブログ1年分がどーんと載ってるしで、面白いことこの上ない。出掛ける時にポストに入っているのを見つけて、荷物になるが持って出て、以降ずっと読み続ける。

『nu vol.3』

菊地成孔+宇川直宏 前編[対談]
根本敬/これでいいのだ
茂木健一郎/「理神」の便り
平岡正明座頭市スピークス、菊地成孔の巻
田中元樹/グラフィティ観察記
森山裕之/神保町
雨宮まみ/小さな場所から(伊藤剛×東浩紀
五所純子/ホルモンから考えない
服部玲治/西麻布にて
三田格大谷能生[対談]
牧野琢磨/かぎ爪
前田和彦/ひとりの高円寺
船橋英雄/ライト・ライト[小説]
雨宮まみ/小さな場所から(大谷能生×ばるぼら
児玉雄大/元気な斉藤さん
吉田アミのブログの1年(ブログ1年分)
朝倉祐二/かりぎゅら坂の山猫
工藤冬里(マヘル・シャラル・ハシュ・バズ)+宇波拓(ホース)[往復書簡&対談]
沖島勲/自慢じゃないけど…… 映画音楽・雑感
服部玲治/自由が丘にて
スギタモエル/景色より遠く
佐々木敦のブログの1年(ブログ1年分)
雨宮まみ/小さな場所から(仲俣暁生×佐々木敦
細馬宏通八谷和彦[対談]
中村としまる/八兆劇場
菊地成孔宇川直宏 後編[対談]

『nu vol.4』
■インタビュー:宇川直宏宇波拓大谷能生工藤冬里(マヘル・シャラル・ハシュ・バズ)、細馬宏通三田格
■対談:佐々木敦×吉田アミ(特別ゲスト:九龍ジョー
■写真:菊地成孔
■日記:八谷和彦
■テキスト:アヤ・コレット白井剛史、服部玲治、須川善行、山下望、康勝栄、いまおかしんじ、森田真規


 近所の書店で『シナリオ 2008年 08月号』『キネマ旬報 2008年7月下旬号』『ダ・ヴィンチ 2008年 08月号』『考える人 2008年 08月号』購入。
 『シナリオ 2008年 08月号』は、『クライマーズ・ハイ』(加藤正人成島出原田眞人)、『きみの友だち』(斉藤ひろし)掲載。『クライマーズ・ハイ』の解説で、桂千穂先生が作品の完成度を褒めつつ、脚本を取り寄せたら、監督の撮影用の書き込みの入った撮影台本だったことに怒っている。では、大林宣彦監督の場合は?と聞いてみたくなる。
 『考える人 2008年 08月号』は、「特集 自伝、評伝、日記を読もう」。最近日記モノをよく読むので。


 『キネマ旬報 2008年7月下旬号』、巻末の浦崎浩實氏の『映画人、逝く』に驚く。先日亡くなった水野晴郎を取り上げているのだが、殆ど批判に費やされている。別に、水野晴郎だから褒めあげろという気など毛頭ないし、かなりワンマンで、金銭をめぐっては何かと問題があったようだから、故人の欠点を挙げるのは構わないにしても、明らかに異様な悪意に満ちている。
 書き出しに『007危機一発』の“危機一発”が水野のオリジナルのように言われているが、それ以前にも『御存じ怪傑黒頭巾・危機一発』があって予告編などでもよく使われていたという指摘は良いが、水野の例のフレーズに<“ワルいもん”じゃいけないのかな、と。いい、ワルい区分は批評のレベルというより、体制言語ではないだろうか。氏の言う“いいもん”にはヒトの道を踏み誤らせる可能性や、国家転覆を秘めたアブナイ映画もカバーされていただろうか?お茶の間サイズの穏健な“いい映画”じゃないのかと。>とまで言われると、首を傾げてしまう。確かに右翼的な言動も目立ったし、例のフレーズも、淀川さん以上に揶揄の対象になったものだが、“良い映画って本当にいいもんですね”と言ってたワケでもなし、単に映画は良いと言っていただけではないか。それをここまで言う必要がどこにあるのかと思っていると、文末にその理由が書いてあったので笑う。単に筆者が30年以上前にテレビの映画紹介番組でで水野と一緒になることが数年に渡り続き、<ごく短い予告編の集積は、スタジオ収録持にはまだ各作品の題名が入っていないことがあり、フラッシュバックのようなものを水野氏は見せられる>ので、ある時、水野が<「映画を冒瀆しているよッ」>と言ったことをいまだに根に持っているらしい。だから、浦崎氏のシメの言葉は、<“冒瀆”はお互いさまだったんじゃないでしょうか、水野センセイ!>という、水野の早い段階での加藤泰評価や、旧作の輸入といった業績を一切書かないまま個人的恨みに終始する。
 キネ旬で追悼特集をするのかしないのか分からないが、かつては連載も書き、その他の記事でも浦崎氏とは比較にならないほどの貢献をしている水野晴郎にこの悪意ある文だけでは、あまりにもバランスが悪い。 

シナリオ 2008年 08月号 [雑誌]

シナリオ 2008年 08月号 [雑誌]

キネマ旬報 2008年 7/15号 [雑誌]

キネマ旬報 2008年 7/15号 [雑誌]

ダヴィンチ 2008/08月号

ダヴィンチ 2008/08月号

考える人 2008年 08月号 [雑誌]

考える人 2008年 08月号 [雑誌]



 古書店で、荒井晴彦シナリオ 神聖喜劇』購入。1500円。
 当然買わねばならなかったが、価格の微妙さに毎度後回しだったが1500円で状態も良かったので。澤井信一郎の監督で映画化が企画されているが、実現しないものか。澤井監督はこれを2時間に更に縮めようとしているが、3時間半や5時間の映画化で良いと思う。

シナリオ 神聖喜劇

シナリオ 神聖喜劇