『異常性愛記録 ハレンチ』(☆☆☆☆)

 ラピュタ阿佐ヶ谷<シネマ紀行 京都ものがたり>に行く。石井輝男の『異常性愛記録 ハレンチ』(☆☆☆☆)を観る。
 一昨年のテアトル新宿でのリヴァイヴァル公開以来、昨年のシネマヴェーラ渋谷に続いて三度目の鑑賞となる。 流石に三回目の上映なので、それほど混んでおらず8割席が埋まるくらい。客層もラピュタっぽい高齢層だった。お陰で派手に笑う奴は皆無で、実に静かに観ることができた。とは言え、自分もこの作品には大笑いしながら観ていたクチなので、あんまり静かだと何だが、しかし、それはそれでこの作品を色々な視点から眺めるのには良かった。



 福間健二の新作『岡山の娘』のチラシを見る。今秋ポレポレ東中野で上映とのこと。
 是非、公開時には監督作である『青春伝説序論』『急にたどりついてしまう』と、若松孝二の監督作で福間の脚本・出演作『現代性犯罪暗黒編 ある通り魔の告白』、それにサトウトシキ監督作に立花信次名義で脚本を提供した『悶絶本番 ぶちこむ!!』をオールナイトで観たい。ちなみに『急にたどりついてしまう』で伊藤猛演じる主人公の名前は立花信次の由。
 『現代性犯罪暗黒編 ある通り魔の告白』だけは以前観ているが傑作だった。福間健二は、自分にとっては90年代中盤の『映画芸術』で素晴らしい時評を展開していた人、という印象が最初で、ピンク映画の造詣の深さを知ったのはその後だ。『急にたどりついてしまう』が公開された時は観たくて観たくて、関西でやらないものかと思っていた。結局パンフレットだけをどこかで購入して持っているが、未だに観る機会を得ていない。『青春伝説序論』と共にいつか観たい映画になっている。
 昨年は、若松プロが復活した年だった。親分の若松が念願の『実録・連合赤軍』を撮り、組頭の足立正生沖島勲が新作を公開し、死んだ筈の大和屋竺までが幻の『愛欲の罠』のリヴァイヴァルを実現させた。そうなれば、舎弟格の福間健二や小水一男なども新作を撮らねばならないと冗談めかして言っていたが、本当に福間健二の新作が観られるのは嬉しい。これで一気に未見の作品も観ることができればと思っている(断るまでもないが、本作は若松プロの製作ではない)。

【追記】(2008.07.22)
 7/22の、いまおかしんじ監督のブログを読むと、<福間さん家で「岡山の娘」予告編作り。>と書いてある。ポレポレ東中野上映時の予告編監督は、いまおか監督か?


 吉祥寺のバサラ・ブックス小林信彦ちくま文庫の一連作を購入。『1960年代日記』を900円で、『地獄の読書録』700円、『コラムは笑う エンタテイメント評判記 1983〜88 (ちくま文庫)』450円で購入。
 と言っても、『1960年代日記』と『地獄の読書録』は単行本で持っているのだが。まあ、文庫でも欲しいので。『コラムは笑う』に至っては同じ文庫を持っており、高校時代の自分のバイブル的に何度も何度も読み返した書だが、先頃表紙が破れたので買い直す。

1960年代日記 (ちくま文庫)

1960年代日記 (ちくま文庫)