『午後4時の映画の本』『時代観察者の冒険―1977‐1987全エッセイ』『哺育器の中の大人』『やすし・きよしと過ごした日々―マネージャーが見た波瀾万丈回想記』

 今年最初の古本購入。やす・きよ本(250円)以外は1冊100円だったので、なかなか買い応えがあったのではないかと。
 『午後4時の映画の本』は東陽一が『サード』で映画賞各賞を受賞した後に、これまで発表した文章をまとめたもの。従って『サード』の完成採録シナリオも掲載されているが、面白いのはやはり東陽一の作品がそうであるように、初期の『沖縄列島』『やさしいにっぽん人』の頃に書かれたものだ。
 『時代観察者の冒険―1977‐1987全エッセイ』は小林信彦のエッセイ集(この人の場合はコラム集と言いたい)だが、文庫版を12年ほど前に学生の頃住んでいた大阪の河堀口近くの美章園の古本屋で見つけて買っていたが、今回は単行本版で。『季刊リュミエール』で、とんねるず松本伊代について書いて浮きまくっていたコラムも収録されている。自分の中では小林信彦の最も愛読していたコラムが多く収録されている。
 『哺育器の中の大人』は、伊丹十三岸田秀による精神分析講義対談。
 『やすし・きよしと過ごした日々―マネージャーが見た波瀾万丈回想記』は、全盛期のマネージャーとして知られる、かつての吉本の名物男・木村政雄による回想記。木村さんって関西では別に頻繁にテレビに顔を出すわけでもないのに、芸人がよく話題にするせいか誰もが知っていた。子供の頃から自分も、吉本の怖い木村さんという印象があったのだが。それだけに、吉本を辞めた時は何故か辛い気持ちになった。

時代観察者の冒険―1977~1987全エッセイ

時代観察者の冒険―1977~1987全エッセイ

哺育器の中の大人―精神分析講義 (文春文庫)

哺育器の中の大人―精神分析講義 (文春文庫)