ＶＩＤＥＯ（TV/VIDEO/LD/DVD）「ＧＡＭＥＲＡ１９９９」

7)「ＧＡＭＥＲＡ１９９９」（VIDEO）☆☆☆★★★

1999年　日本　メディアファクトリー　カラー　スタンダード　
総監督／庵野秀明　　　　監督／摩砂雪　　　　

　ビデオの整理をしていたら出てきたので何気に再生させたら最後まで観てしまった。レンタルビデオで飽き足らずセル版を購入してこれでもう5、6回観ているが毎回アタマを少し観るだけか、再生させたまま他の事をしようと思っていても観てしまう。
　2時間半近い長尺だが全く飽きさせない。
　金子修介への悪意に満ちた編集が施されていることへの批判は、南里幸（現・甘木モリオ）のみならず、庵野秀明も当然受けるべきだが、「ラブ＆ポップ」完成の頃、原一男と対談し、やたらとドキュメンタリー願望を語り、「由美香」や「ゆきゆきて、神軍」のようなドキュメンタリーがやりたいと語った庵野が、何とかスキャンダル性を出したいと、改編した作品でもあるわけだが、優れているのはそんな部分ではなく、特撮現場を丹念に描いた本編の大部分だ。
　開巻のカンパニー松尾が撮影する映像から始まり、居酒屋に平野勝之や林由美香が居る不思議さは、「ラブ＆ポップ」でカンパニー松尾が監督したメイキングで唐突に現場を離れた松尾が西武新宿駅で「流れ者図鑑」（「わくわく不倫旅行２」）撮影のために北海道へ自転車で旅立つ平野勝之と松梨智子を見送る様子がインサートされてしまう驚きと共通のものだが、こういった遊びが楽しい。
　その後、庵野秀明はドキュメンタリーについて口を噤んでいるが、どーなのだろうか。