『大和屋竺ダイナマイト傑作選 荒野のダッチワイフ』

1)『大和屋竺ダイナマイト傑作選 荒野のダッチワイフ』  高橋洋塩田明彦・井川耕一郎:編 (フィルムアート社)  

荒野のダッチワイフ―大和屋竺ダイナマイト傑作選
 良い時期のフィルムアート社本。と言ってしまっては申し訳ないが、ワイズ出版だと思っていたら、こっちはフィルムアート社から出てたのね。
 この本、出て直ぐに買ってたのに、その後ハンドーセーしていた方に持っていかれてしまい、そのまま返却ならなかった為に買い直し。その方とは、以降も緩やかな関係が続いていたので何度か返却してもらえそうな機会があったものの、その度に逃し、近年遂に緩やかな関係が壊れて着信拒否に至ったので完全に諦め、再購入をすることにする。本書も含めて『山中貞雄全集』とか、高い脚本集を持っていかれてしまったのは、買い直しの面倒さを考えても辛いことだと痛感するのみだが、同じ趣味趣向の者がアヘアヘするのが悪いんだと思って諦めるしかない。
 しかし、『大和屋竺ダイナマイト傑作選 荒野のダッチワイフ』はめちゃ高くて、5500円もするんである。一回買ったものをもう一度5500円とは、勢いをつけても中々腰が上がらず、嫌で嫌でしょうがなかったが、そうこうしている内に書店で見かけなくなり、品切れ状態と聞くに及んで、そんなことも言ってられないので見かけ次第購入しようと決めていたら、難波の千日前古書センター(ここは昔から映画本が充実していて東京よりも全体的に安い)で3500円であったので、5500円をもう一度盗られることを思えば、これぐらいなら良いやと思い購入。
 久々に読み直してもやはり魅力溢れる脚本集で、『裏切りの季節』も『毛の生えた拳銃』も『引き裂かれたブルーフィルム』も『裸の銃弾』も、購入当初は観ることができなかったんだと思い返した。そして、今年は愈々『愛欲の罠』のDVD化をジェネオンが敢行する。公開時の評価はかなり低いが、そんなものは当時の人間が間違って攻撃しているに決まっているので、ひたすら期待して待っている。ついでに未見の監督作『発見への旅だち』、脚本作『にぎやかな家族』という東映教育映画の組み合わせをどこかで観られないかとも思う。