『映画芸術 1976.4 NO.310』

)『映画芸術 1976.4  NO.310』  (編集プロダクション映芸)  
)『シナリオ 1972.9』  (シナリオ作家協会 )  

 神保町に出て古書店を幾つか回るが、もう閉店時だったのでそう長居もせず。
 神保町に出来つつある昨日話題にした神保町シアターの前を通ったので、しばし建物を眺めるが写メを撮り忘れる。が、松江監督のブログ見たら、どうやら数時間前にその前に居たようで、神保町シアターの写メが載ってるのでそちらを参照して貰うと良いかと。しかし、デカイ。映画館が新たに出来るのを眺めるのが好きなのは、小学生の頃に地元の映画館が潰されて駐車場になるのを目の当たりにしたとか、大阪で急激にミニシアターが出来て2、3年ほどで潰れまくったのを見ているせいだろうか。改装でも改築でもなく、新たに劇場を建てているのを見ると嬉しくなる。ただ、ちょっと郊外に行っても実感するが、物凄い至近距離で10館入ってるシネコンが隣接してたり、契約上の問題で、2、3年でシネコン潰してその近くにまたシネコン建てたりしている。そんなことをしていたら、また駐車場になる日が来るのではないかと思ってしまう。

 『映画芸術 1976.4 NO.310』、いどあきお『江戸川乱歩猟奇館 屋根裏の散歩者』シナリオが載ってるので購入。800円。
 これで、井土紀州版『屋根裏の散歩者』に向けて、いどあきお、薩川昭夫のシナリオを読み比べて作品に接することができる。勿論DVDで、田中登、実想寺昭雄版を夫々観返した上で観る。
 ただ、やっぱりこの頃の『映画芸術』は異様に面白い。市川崑東宝争議を語ったり、例の今村昌平黒木和雄藤田敏八深作欣二が入り乱れて映画化権争奪を演じる『復讐するは我にあり』映画化問題を、黒木組でプロデューサーとして参加する予定だった佐藤重臣がレポしたり、前から読みたかった深尾道典の『愛のコリーダ』脚本問題での大島渚への決別宣言と、同じ号に載ってしまう大島の返答、更に蓮實重彦のサム・ペッキンパー論と荒井晴彦の『暴走パニック 大激突』評と寺山修司の評が並んでいるのも壮観で、ここに、いどあきおの『江戸川乱歩猟奇館 屋根裏の散歩者』のシナリオまで載って114ページなのだから、凄い。
 『シナリオ 1972.9』、『恋の夏』(山田信夫)/『博奕打ち外伝』(野上龍雄)/『八月はエロスの匂い』(  藤田敏八大和屋竺)掲載。