『スカイ・クロラ』(☆☆☆★★) 

molmot2008-07-29

 読売ホールで押井守スカイ・クロラ』(☆☆☆★★)を観る。
 原作を読んでいないので予備知識なく観たが、多重構造の作りを本人が嗜好しているにしても、ここまで来ると本人も困惑しているのではと思わせた『イノセンス』で既に表現的にも突き当たった感があったので、今回は随分とシンプルな構造になり、見易くはある。
 『アヴァロン』以来の疎遠となった伊藤和典は今回も参加せず、脚本は何と伊藤ちひろ。しかし、それで劇的に変化が加わったわけでもなく、パトレイバーの延長に置いて考えると良い。
 空中戦や、待機の時間の倦怠感などに、押井守らしさを思うも、エンドロール後の蛇足部分は、そこまで丁寧に分かりやすくする必要があるのかとも思う。
 声優では加瀬亮は良かったものの、菊池凛子が壊滅的に酷く、基本的にこの人は『恋するマドリ』を観ても明らかだが、普通の演技は全く駄目なので名前に引っ張られてのミスキャストとしか思えない。
 同じ歌を唄ってというか何というか。


 書きわすれていたが、数日前にDVD-BOX『キム・ギヨン作品集』が届く。『高麗葬』『蟲女』『肉体約束』『異魚島』が収録されたもの。韓国版だがリージョンフリーで日本語字幕付きというスグレもの。大久保で買おうと探したが無かったので結局海外から取り寄せた。さあ、これで『高麗葬』を何度でも、そして未見の作品を観ることができるかと思うと興奮する。