俳優・加藤善博死去

 ナヲイさんとこ読んで、初めて知り、ショックを受ける。
 更に調べていくと、亡くなったのは4月27日午後のことらしい。自死と書いてあるところもあるが、詳細はわからない。48歳だったという。
 ちょうど昨日、『伊丹十三の映画』を読みながら、伊丹映画の印象的な脇役の一人と言えば、加藤善博を忘れるわけにはいかないので、伊丹映画での加藤善博に思いを馳せていたので、よりショックだった。
 それに、加藤善博の出演する作品は自分好みの作品が多いので、結果的にかなりの作品を観ていたと、フィルモグラフィーを観ながら思った。NHK銀河テレビ小説まんが道』に出ていた滝田記者が加藤善博だと気付いたのは、後年再見した時だったが、9歳頃から加藤善博を観ていたわけだ。
 『家族ゲーム』からの一連の森田芳光作品や、『母娘監禁 牝』『12人の優しい日本人 』『ピストルオペラ』『蕎麦あんびえんと スーパーデラックス 男女七人蕎麦物語』等など、観ていく先に加藤善博の姿があったように思う。
 恐らく自分が加藤善博を初めて名前を覚えて意識したのは、小5の時にテレビ放送で初めて観た『マルサの女』での港町税務署署員・山田役ではないだろうか。伊丹十三は、『お葬式』の葬儀屋で加藤を起用した時、あの忘れ難い、1カットで棺に釘を打ち付ける緊張感溢れるシーンをプレッシャーに負けずやり遂げたのに感心し、以降よく使うようになったという。
 とても好きな俳優だったので、残念だ。自死というのが本当であるならば、同じく自死と言われている伊丹十三のことを思っていた翌日に加藤善博の訃報を知った因縁を感じ、暗然とする。